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食品

パン・洋菓子

増粘剤のイメージが強いグリロイド(タマリンドシードガム、タマリンドガム)ですが、実はパンや洋菓子には増粘以外の効果もあります。

ここでは、グリロイドをパンや洋菓子に使用したときの効果を試験結果とともに、簡単にご説明します。

 

パン

グリロイドをパンに使用すると、気泡がきめ細かく均一になり、しっとり感が増し、もっちりとした弾力性が付与され、食べ応えを感じられるようになります。多くの場合、パンは時間が経つにつれ澱粉の老化によりパサつきが出てきますが、グリロイドには澱粉の老化を抑制する効果があるため、もとの食感をより長く保持できます。グリロイドの添加量が増えるにつれ、しっとりと重たい食感になり弾力も増しますが、添加量が多すぎると逆にパンが硬くなり過ぎて逆効果になるため、添加量の調整が非常に重要です。また、加水量を上げると歩留まり向上も可能で、添加量と加水量のバランスも重要です。

 

一つの例として米粉パンにグリロイドを使用したときの試験結果をご紹介します。米粉パンにグリロイドを0.2%添加すると、何も添加していないブランクに比べてグリロイドを添加した米粉パンは、かたさの変化が小さく、経時的にかたくなるのを抑制し、しっとり感をより長く持続させました。また、膨らみも均一になり、気泡が細かくなりました。

 

洋菓子

洋菓子は様々な種類がありますが、グリロイドの添加量を変えることで効果を使い分け、様々な洋菓子で効果を得ることができます。例えば、スポンジケーキやドーナツなどは対粉0.1~0.5%添加すると、しっとり、ソフトな食感を付与できます。対粉0.5%~1.0%添加するとしっとりふわっとしながらも食べ応えがある食感になるため蒸しパン等に向いています。対粉1.0%~3.0%と高添加量では表面はさっくり、中は濃厚な食感となるため、ブラウニーやガトーショコラなど濃厚な食感の洋菓子におすすめです(これらの添加量は目安ですので、実際にご使用の際は添加量を振ってお試しいただくことをおすすめします)。加えて、冷凍・冷蔵保存による食感の変化を少なくすることもできます。

 

一つの例としてスポンジケーキへグリロイドを使用したときの試験結果をご紹介します。

グリロイドをスポンジケーキに添加すると、食感はしっとりとソフトでぱさつきのない食感になりました。加えて、焼成後の中落ちを抑え、見栄えよく仕上げることができました。さらに、冷凍解凍(凍結解凍)、冷蔵保存をすると、グリロイドを添加していないブランクではパサついた食感だったのに対し、グリロイドを添加した方はしっとりソフトな食感を維持していました。

 

このように増粘安定剤のイメージが強いグリロイドですが、パンや洋菓子への添加効果のように増粘以外の効果も期待できます。

ぜひいろいろな用途でグリロイドをお試しください。

最適なグレードや添加量、添加方法などご不明点があればお気軽にお問い合わせください。

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