技術情報

基礎物性

離水抑制

離水とは?

ゼリーのふたを開けたとき、表面に水が出ているのを見たことはありませんか?
この現象は「離水」と呼ばれ、時間が経つにつれゼリーから出てくる水分のことを指します。

離水が多いと、ゼリーを開けた際に水が飛び散ってしまうことがありますが、一方で、離水があることで味を感じやすくなる(=フレーバーリリースが良い)という利点もあります。

そのため、程よく離水抑制ができるとフレーバーリリースとのバランスをとることが可能になります。

グリロイドと離水抑制

グリロイド(タマリンドガム、タマリンドシードガム)は、ゼリー(ゲル)の食感を大きく変えずに離水を抑制することができます!そのため、ゼリーやプリンなどのゲル状食品へおすすめです。

ゲル状食品の多くは、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ジェランガムなど、複数の多糖類を組み合わせて、さまざまな食感に仕上げられています。
これらの多糖類は、相互に物性に影響与える(相乗効果を持つ)ものも多く、それらを利用して設計されています。

ゼリーの離水を抑制することは多数の多糖類で可能ですが、それらの多糖類は離水を抑えると同時に、ゼリーの食感にも影響を与えてしまうことがよくあります。
そのため、離水抑制を目的に使用する多糖類によっては、一度完成した食感を再設計しなければならない場合もあります。

一方で、グリロイドは他多糖類との相乗性があまりないため、出来上がった食感のゼリーにグリロイドを加えるだけで食感を大きく変えずに離水を少なくすることが可能です。

嚥下調整食品にも大活躍!

これは、ゼリーやプリンに加え、物性コントロールが必要かつ誤嚥につながる離水を減らす必要がある嚥下調整食品(嚥下食とも呼ばれる)において、特に便利です。
フレーバーリリースの良さを残しつつ、離水を抑えることができるグリロイドは、嚥下調整食品においても活躍します!

グラフで見る離水抑制効果

このグラフはゲル化剤と呼ばれる多糖類で固めたゼリーを実際に作成し、グリロイドを加えた場合と加えない場合で、ゼリー強度(ゼリーの硬さ)と離水の量を比べたものです。
注目すべきポイントは、ゼリーの硬さにはほとんど影響を与えず、離水量だけを大きく抑制できるという点です。
実際に、グリロイドを添加した場合では、離水量が30%以上も低減されており、ゼリーの物性を保ちながら離水を効果的に防ぐことができることが示されています。

ゼリーやプリン、嚥下調整食品などで
「離水を抑えたいけど、食感や風味はそのままにしたい」
――そんなときは、ぜひグリロイドを試してみてください。

■ 詳細な処方を見たい方は多糖類の情報サイト「多糖類.com」をぜひご覧ください。

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